鉄道博物館の展示車両(その16)~【101系電車「クモハ101-902」】~鉄道博物館訪問記・こぼれ話~(H24.1.9)
今回は鉄道博物館の展示車両のうち、「大量輸送と電化の時代~昭和30年代~ゾーン」から、「クモハ101-901」をご紹介していきましょう。
「クモハ101-902」は1957(昭和32)年に製造された通勤形電車。製造時は「モハ90503」という形式名でしたが、1959年の車号改正により「クモハ101-902」となっています。
それまでの国鉄車両のモーターは「つり掛け式」であったのに対し、初めて「ガルダン駆動式」を採用。その後の「新性能電車」のはしりとなる車両で中央線をはじめ、各路線に導入されました。その他にも展示車両のわきにあった解説ボードには、「直流直巻モーター、多段式制御機、MM'ユニット方式、発電ブレーキの常用、電磁直通式空気ブレーキ」など様々な新機軸を採用していることが記述されていて、当時は革新的な車両であったことを物語っています。その他にも両開きドアや片側4か所のドア配置なども国鉄では101系が最初であったとのことです。
計画当初、101系は全車両を電動車として加速を高め、スピードアップと高頻度運転を目指していましたが、電力消費量の増大により計画は断念、より経済的で国鉄車両のなかで最大勢力を誇った103系が導入されることとなったことも解説ボードに併記されていました。
「クハ101-902」は引退後、同車両を製造した大井車両センター内に保存され、例年夏休みの終盤に開催される大井車両センターの一般公開時に見ることができましたが、鉄道博物館のオープンに伴い移設。そしてクモハ101-902の横には、かつて旧交通博物館があったものでしょうか?、一組の台車と運転台があり、マスコンやブレーキを操作することで車輪が加速したり、ブレーキディスクが動いて減速することが目の前で再現される機器類が設置されています。
※「鉄道博物館訪問記」は、私のホームページ「列車とともに」に掲載しています。ぜひこちらもご覧ください。
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