鉄道博物館の展示車両(その2)~【弁慶号機関車(7100形蒸気機関車】と【開拓使号客車(コトク5010形)】~鉄道博物館訪問記・こぼれ話~(H24.1.9)
今回は鉄道博物館の展示車両のうち、「日本の鉄道の黎明期~明治期~ゾーン」から、「弁慶号機関車」と「開拓使号客車」についてご紹介していきましょう。
こちらは弁慶号機関車、1880(明治13)年北海道最初の鉄道「幌内鉄道」で初めて使われた蒸気機関車です。1880年にアメリカから2両の蒸気機関車が輸入され、1号機には「義経号」、2号機には「弁慶号」の愛称が付けられました。
当時最新技術の「空気ブレーキ」を備え、長距離走行が可能な「テンダー式」を採用。弁慶号は1880年当時、「幌内鉄道2号機」という形式でしたが、1906年に幌内鉄道が国有化、1909年の形式名称変更により、「7101号機」という形式名が与えられました。
その後、弁慶号は神田の旧交通博物館で保存され、鉄道記念物にも指定。旧交通博物館の閉館および大宮の鉄道博物館の開館により、鉄道博物館で移設され引き続き保存・展示されることになりました。
こちらは弁慶号蒸気機関車とともに、1880(明治13)年に開業した北海道最初の鉄道「幌内鉄道」で使われた開拓使など高官専用のアメリカ製特別客車です。前回の弊ブログでご紹介した明治期の客車がイギリス製で座席ごとに扉があったのに対し、こちらは車内を移動できるアメリカ式開放客車で、中央通路やデッキ、転換クロスシートなどの設備を持ちます。また台車がカーブに差し掛かると台車が回転するという「ボギー台車」を採用していて、曲線でも安定した走行ができる構造となっています。また、当時本州ではネジ式鎖連結器を使用していたのに対し、開拓使号はアメリカで実用化されたミラー式自動連結器を採用しているのも特徴。
1889年、幌内鉄道が民営化され、北海道炭礦鉄道となったあとも形式名は数字でなく「開拓使号」のまま、1906年に再び鉄道が国有化され、1911年には形式名が「コトク5010」に改番されたそうです。
その後、開拓使号客車は弁慶号機関車とともに、神田の旧交通博物館で保存、鉄道記念物に指定され、旧交通博物館が閉館後は、大宮の鉄道博物館に移設され、保存・展示されることになりました。
※「鉄道博物館訪問記」は、私のホームページ「列車とともに」に掲載しています。ぜひこちらもご覧ください。
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